あの原作に対して、このデキは上等だと思うんですよね。というか、原作者自身が今回脚本もやっているので、ワクが完全に固まっちゃってて、その中で映画としては、「精一杯やったな!」って感じです。ただひとつの点を除けば・・。
それは、コン・リーが演じたムラサキ婦人。自分は、小雪さんなんかピッタリだと思うんだけどなぁ。日本人でしょ。口が聞けなくなるほどの心の傷を受けたハンニバルを癒し、再び人として生きるチャンスを与える人。優しく美しく、エキゾティックで強烈な美意識を持ちながらも、芯の強い女性。コン・リーのほうが国際的な知名度はあるんだろうけどさ。中国人に日本人女性を演じさせるって、すんごい違和感よ。
まーそれは置いておくとして、物語は、原作を読んだ時点でわかってはいたけど、あまりよいと思えません。だって、いくらハンニバルが、様々な科学と言語、人体の構造に精通している、レオナルド・ダ・ヴィンチのような人であっても、屈強で狡猾な男たち4人(5人)を次々とやっつけていけるわけはないでしょう。しかも、主人公は、殺し(復讐)を続けている間、その正体も居場所もまるで隠さないんだもん。
また、悪役グルータスの背景がまったく掘り下げられていなかったり、ムラサキ婦人とハンニバルの仲も中途半端なまま。
実質的な前作、「ハンニバル」の悪役メイスンや、運命的にハンニバルのパートナーとなるスターリングの緻密な人間描写と比べると、はるかに劣る感じがします。
このあたりは、原作への不満なんですけどね。
復讐を終えると同時に、ムラサキを失うハンニバル。悲しい怪物誕生のお話しです。
テーマ : DVDレビュー - ジャンル : 映画
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